

『リラックス・4』
夏は好きな季節だが、ここ数年の暑さは殺人的である。つい何年か前までは、どんなに暑くても熱中症なんて症状は聞かなかったし、マスコミを通して、「水分補給をこまめに」なんて呼びかけもなかった。こういった状況からもここ数年の夏の暑さの厳しさが危険であることが伺える。
それらを踏まえた上で、夏の風物詩の一つである甲子園の高校野球がちょっと引っかかった。テレビ中継や新聞報道等で大きく扱われるが、実際のところ夏休みに開催されている高校生の部活の全国大会である。大人達がいろいろと厳しい規則で高校生である球児たちを縛っていながら、熱中症が一番発症しやすい時間帯に試合が組まれているのはなぜだろう。高校生である球児たちの健康を第一に考えるなら、試合は早朝、もしくは陽が落ちてからナイトゲームで行われるべきではないか。応援のために地方から長旅を経て甲子園に駆けつける父兄や在校生達だって、日陰のない炎天下で応援するより、その方が身体の負担が軽減されるだろう。地方予選も含めて、熱中症が一番発症しやすい時間帯に、それも連日試合が組まれているのは、テレビ中継の都合等大人の都合が原因でないことを祈りたい。球児達にとって甲子園は、厳しい練習で身を削った上に、勝ち続けなければ到着できない旅先なのだから、せめて旅先での過ごし方くらいもう少し考慮されていい。涼しい時間帯に試合を組んだほうがもっと力を発揮出来ると思うのだけれど。
熱中症という言葉が頻繁に聞こえてくる季節になると、暑さで倒れないようにと水分を携帯して外出していても警戒して気が張るので、帰宅すると知らず知らずのうちに肩や足が凝っている。それに節電が各所で行われていても、やはり冷房で冷えて足等が凝る。凝りを自覚して気になり始めるとマッサージに行きたくなる。
初めてタイ式マッサージを受けたのは、去年(2011年6月)チェンマイに行った時だ。チェンマイの旅を計画している時に、トラベラーズノートのプロデューサー飯島淳彦さんにいろいろとアドバイスをいただいた。いただいたアドバイスの中にタイ式マッサージを受けることがあった。
「行きタイ」にも書いたが、暑い最中地図を片手に結構町を歩いた。疲れを覚えた時にふとタイ式マッサージを思い出してマッサージ店を探したのか、メインストリートから外れた道を歩きながらマッサージ店を見つけて、タイ式マッサージを受けなくてはと思ったのかは忘れてしまった。
見つけたタイ式マッサージの店は賑やかなニマンヘミンロードから一本入ったところにあった。周りはメインストリートの喧噪が嘘のように静かで、住宅が並んでいる合間に服を売っている店やレストランがあった。そのマッサージ店の外観は小綺麗な一軒家で、割と上品に看板とインフォメーションを出していた。一目でここなら安心だと思って、時間と値段等を聞いて一時間のコースを選んだ。
天井が高く、清潔なフローリングのフロアに施術用のベッドが並んでいた。
マッサージは最初から力強くゴリゴリとせずに、段々と力が込められていった。
力強くなってきたのが感じられる頃には、普段の疲れと長旅の疲れが出てきたのか、ウトウトし始め、いつの間にか眠りに落ちていた。ゆっくりと少しずつ力を込めていくマッサージなので、ほとんど苦痛は覚えず、疲れが剥がれていくようにとれていく感じがした。関節の可動域も心なしか少しずつ大きくなっていく感じがした。マッサージが終わると、身体が少々柔らかくなった感じがした。
これは良いマッサージだと思い、翌日再び訪れた。その時は二時間のコースを取ったが、全く揉み返し等の副作用はなかった。この旅はリフレッシュ休暇を利用しての旅だったので、ここのマッサージで身体がリフレッシュされた気がした。
ホテルのプールサイドでの読書と、このタイ式マッサージという最強のリラックス方法を、ここチェンマイで見つけた。
マッサージの後で飲むビールはどうしてあんなに美味しいのだろう。夕食にグリーンカレーを食べに入った店で、お薦めだというソーセージを食べながらチャンビールが進んだ。(「旅先で食べたもの・3」参照)
先日久し振りに駅ビルの中に入っている足裏マッサージに行った。食生活等はずっと気を付けているが、やはり冷たい物等で胃腸が疲れていたのか、結構痛い思いをした。施術中は痛さでたいしてリラックスは出来なかったが、終わってから時間が経つに連れて、何だか体全体が軽くなってくるのが感じられた。
このストーリーを投稿した翌日から遅い夏休みを取って旅に出る予定だ。
その旅先にはタイ式マッサージのような、その土地独特のマッサージはない。
でも、なかなか行かれなかった久し振りに訪れる土地なので、何か他にリラックスさせてくれるものが待っていてくれる気がしてならない。