

帰国
2010/05:PHOTO
Viel Spass
今日、1年半暮らしたフランクフルトの家を引き払った。
大家さんに鍵を返し、帰国までの数日を
中央駅近くのホテルで過ごす。
窓から見える街並みのひとつひとつが、愛おしい。
急に空腹を覚えて、なじみのイタリアンカフェで
フォカッチャサンドを頬張りながら、窓の外を
ぼんやりと眺める。
乗りなれたUバーンが目の前を通り過ぎる。
「ああ、もうあれに乗って帰る家はないんだな」と
思ったら、なんだか心細く、哀しくなった。
視界がぼやけたのは、きっと夕陽がまぶしいせいだ。
明日からは、Travelerとしての日記が綴られるのだろう。