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リチャード・ゴードン・スミス

リチャード・ゴードン・スミス

2010/04~2007:CUSTOMIZE
かわうそ

実は4年ほど前古本屋でゴードン・スミスというイギリス人の100年ほど前に残した、今にして思えばまさにトラベラーズノートを元に荒俣宏が訳した本を発見、即購入し、大変面白く読んだことを思い出しました。
右の写真に小さく写っていますが、元本は百科事典のような革張り表紙で皮ベルトも着いている堂々たる書籍です。
1880縲鰀1900初頭に掛けてイギリスは第二・第三のインドだアフリカだの植民地を探して、公費で何人も事前調査に派遣しているようです。 それは日本に向けても例外なく、大森貝塚の発見で有名な「モース」がいい例で、彼の著書「日本その日その日」なんて本には、詳細なイラスト入りで100年前の日本の文化・宗教・国民性 あらゆることが記されています。
それはいざとなれば対日本戦を見越した潜入調査。
敵を良く知るに通ずる洞察力の深さがあります。
我々のご先祖を物体として観ているようで、ぞっとするところが多々あります。
そんな時代にこのリチャード・ゴードン・スミスは異色なのです。もともと富豪だったこともあり、本国で離婚騒動から逃げるべく、世界を旅してたまたま日本が気に入った様子です。だから彼のトラベラーズノートは、自費の旅ですから本人の興味のあることだけを深く記しています。
しかも現地(日本)の絵師を雇い、きれいな挿絵や写真がふんだんに載せています。
我々日本人としてはそんな時代の自分たちの日常の記録を残す暇人もなく、公費では非難されそうな女性の入浴シーンまで載っていたりします。また、取るに足らない風習や文化、虫や民話まで挿絵を入れて解説しています。だからこそ今、我々日本人には大変貴重で、なんとなく記憶にあるような、興味をそそられる雑日記となっています。