

湯道入門
2023/03:STORY
寅ねこ
太宰府天満宮に参拝した日にやってきた湯道手帳。これを手にしたときから私の湯道が始まった。恐縮だが同志諸君においてはぜひ最後までお付き合いいただければ幸いである。
まずは手始めにチャームをと、寛永通宝(まだ幼かった時分に散歩の折りに拾ったもの)をゴム紐に通してみるとこれが中々様になる。
さらに手前味噌だが「"銭"湯」と「古"銭"」で掛かっているのが小洒落れているなと、ひっそり得意な気分になれたりするのもまた良い。
セットされていた湯の記はやっぱり使うのが惜しくて、白無地のリフィルを「湯の記」に見立てて使うことにしたがこれまた大変良い。惜しみなく日々の湯のことをのびのびと記せる。
たとえば本来なら"湯に浸かっている間のこと"を記すのであるところを、こともあろうに"湯上がりに台所でコーヒーを飲みながら今日の湯について振り返った話"を書いていたりするといった具合だ。(これはたった入門3日目のことだし、ひょっとすると邪道かもしれないが…。)
とはいえもしかすると湯道とは、湯へ直に触れているときだけの道ではないのかもしれない。
この気付きを得たとき、私は湯道というものにすっかり首まで浸かりたくなってしまった。いやはや大変湯快である。
さて、すっかり話が長くなってしまった。
果たしてこの道がいったいどこまで続いているかはわからない。
しかしこの湯道手帳がどこまでも傍らにあることだけは間違いないだろう。