TRAVELER'S notebook Users Posts(2007-2023)
ガジェット

ガジェット

2012/06:STORY
tsukapa


 「ガジェット」が好きである。手元の辞書によれば「ガジェット=ちょっとした小物、気のきいた小道具」とある。

 これまで、様々なガジェットを使ってきた。シャープの電子手帳に始まり、HandspringのVisor、SONYのクリエ、Windows Mobile、様々な携帯電話、ウォークマン、PSP、DS、iPod、iPod touch、そしてiPhone。コンピュータはMacintosh一筋10台を超える。

 特に仕事に使うわけではなく、ほとんどホビー用途。一度勉強の為にと、Thinkpadのモバイル機を買ったこともあったけど、Windowsは仕事をする機械で、おもちゃには不向きだと悟る。

 今や、デジタル全盛時代。仕事の会議録は会社支給のWindowsパソコン。アドレスや予定表もパソコン上のグループウェアで管理。コミュニケーションの手段はメールが中心で、電話さえしない日もあるくらい。それでも鞄にはノートとしての手帳は必ず入れている。ビジネスマンたるモノ、「筆記具持参は最低限の社会人の身だしなみ」と叩き込まれた51才なのである。

 そろそろ身につけるもので何か贅沢しても良い頃かな、とは思うものの、生来の貧乏性と趣味の多さにも関わらず限られた小遣いでは、限界がある。そんな中、最近活路を見出したのが「文房具」である。比較的少額でも、とにかく種類が多いので、とても楽しめる世界が広がっている。まず最初に大英断に踏み切ったのが、トラベラーズノートである。店頭で見かけて、何度も迷った末に買わずに帰ること、数回。コンセプト、質感は文句無しだが、やはり価格的に贅沢と思えたのだ。あれ?贅沢するんじゃなかったっけ?(笑)

 そんな頃、何度目か店頭で手に取りながら「そうだ息子の就職祝いにちょうど良いな!」とひらめき黒のレギュラーサイズを手にレジへ。と、その時、どうせなら男同士、父子でお揃いも良いなと売り場へ戻り、茶のレギュラーサイズを手に再びレジへ。就職した息子と、そこまで息子を育てた自分へのご褒美として2冊購入。

 息子は喜んだのかどうか分からない反応で、少々がっかりしたが、自分はガジェット好きの虫が目を覚ましいそいそとカスタマイズに励む日々。昔からMac使いは、周りの人間に布教する、と言う習性があることで知られるが、まずは家内をターゲットに布教開始。ほどなく陥落、パスポートサイズを購入の運びとなる。

 トラベラースファクトリーにも足を運び、先日はスパイラルリングノートをプレゼントしてくれるほどにはまったようである。今では二人して、LAMYの万年筆を購入し、せっせと手書きの日記を書く毎日。デジタルにはない、手で書きながら思考する、思考しながら手で文字にすることの喜びを、楽しんでいる。
 デジタルとアナログを競うのではなく、道具として共存させていく工夫を、これからも楽しんで行きたい。

 そうそう、先日息子のFacebookを内緒で覗いたら、「親からの就職祝い」というタイトルで、麻袋のままのトラベラーズノートの写真を発見した。速く使って欲しいような、欲しくないような.....。