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おセンチ

おセンチ

2011/05:STORY
Taku

小さい頃、
おじいちゃんの散歩やお出かけによくついて行った。


ホントよくあるく人で、背筋を伸ばして黙々と歩く姿に
威厳と憧れを感じながら一緒に歩くのが好きだった。


「お前はホントよくだまって
 おじいちゃんについて歩くねぇ」


とおばあちゃんに言われるのも、うれしかったんだろうなぁ。


震災での徒歩帰宅、靴のせいで足痛めたけど
こういう経験が歩く事自体を「苦」とせず、黙々と目的地に
向かって歩くことができたんだろう。


おじいちゃんがくれた「足」なんだ。


おじいちゃんは本をよく読み、書く人でもあった。
やはり背筋を正して姿勢よく読む、書く。


おじいちゃんの祖父が小説家という血が「書く」血筋
なのかもしれない。
この「血」がワタシの書くことが好きな一因なんだろうか。


おばぁちゃんは絵を描いたり、写真撮るのが好きだった。
しかし、ワタシの方にその血は皆無・・・
絵心ないし、写真は下手の横好き。


そんな二人は
年末年始にかけてよく旅に出ていた。
旅先から絵はがきを送ってくれたり・・・


そう二人は、まさにトラベラーだったんだ。


もう亡くなって久しいが
もし、もしまだ存命だったら
二人それぞれにトラベラーズノートを贈って
二人の旅を楽しんでもらいたかったなぁ・・・


おじいちゃんにはブラック
おばあちゃんにはキャメル


想像だけど
字でびっしりのブラック
絵や写真で彩られるキャメル


いいなぁ、
想像しただけでも興味深い・・・


きっと
この二つが融合できたものが
ワタシの理想の手帳なんだろう。


二人に恥じない、ワタシの「旅」を歩きたい。